あなたは大腰筋ってご存知のことをご存じのでしょうか?おそらく多くの方は、あまり耳にしたことのない筋肉の名前かもしれません。
私はパーソナルトレーナーを本職にしている専門家なので、もちろん普段から多用する言葉ですが、一般の方と同じように生活していたら、全く耳にしていないかもしれないくらいにマイナーな筋肉だと思います。
ですが、腰痛を改善するためには非常に大事な筋肉になってくるので、今回は大腰筋のほぐし方やストレッチでの伸ばす方法に詳しく解説していきます。
そもそも大腰筋とはどんな筋肉なの?
大腰筋は、脊柱(背骨)から大腿骨(太ももの部分の骨)についている股関節の筋肉です。画像の赤くなっているところが大腰筋です。
みなさんがあまり耳にしたことのない理由としての一つは、この大腰筋は、同じく股関節についている腸骨筋(ちょうようきん)とセットで、腸腰筋と呼ばれることが多いためです。
健康や運動をテーマとしたテレビ番組などでは、腸腰筋という言葉は、聞いたことがあるのでみなさんもご存知かもしれません。そのように大腰筋と腸骨筋は、同じ筋肉だとみなされるくらいなので、同じような働きをします。
股関節を屈曲…脚を上にあげたりする動作、またはお辞儀をするような動作がこの腸腰筋の機能です。また座っているときには、ずっと腸腰筋は縮みっぱなしになります。
そのため、デスクワークの方や長時間の運転や移動などをしたり、するとかなり硬くなる特徴があります。座りっぱなしの人が腰が痛くなってしまうのは、これも大きな原因です。
大腰筋が腰痛にどのように影響しているのか?
そして、腸腰筋の中でもなぜ大腰筋がとくに腰痛に直接的に影響しているかというと腰の部分の骨でもある、腰椎の前側についているからです。
腰椎の前側について、骨盤の前側を通り、大腿骨(太ももの骨)の付け根についています。そのため、縮みっぱなしなるというのは、前側に腰椎を引っ張るという機能が働いてしまいます(前側に引っ張る動作とは、腰を反ったような姿勢を作ってしまう体勢のこと)。
※ 下図の真ん中にある、平たい骨が骨盤でそこから上に伸びている棒状の骨が腰椎、逆側に真ん中の骨盤から下についている骨が脚の骨である大腿骨です。
そのため、縮みっぱなしの腸腰筋をほぐしたり、ストレッチすることは直接的に腰椎を回避するために非常に重要になります。
テニスボールを使用して大腰筋を簡単にほぐす方法
腸腰筋※は、身体の中でもかなり深層部(身体の奥の方)にある筋肉なので、表面的にちょっとほぐしたからといってほぐれるものではありません。ですので、腸腰筋を自分でほぐすには、テニスボールを使っていきます。
※ 腸腰筋の位置は、だいたい腹直筋(お腹の割れている筋肉)の際くらいでおへその横の位置です。おへそから横3センところに、グッと指をつっこませると、腸腰筋に届きます。
それでは、テニスボールを使ってどのようにほぐすかを、順番に解説していきましょう。
1.おへその3センチくらい横にある腸腰筋の位置(腸腰筋の場所は上記をご参照)ボールを当てます。
2.場所を決めたら、そのまま肘は立てたまま、うつ伏せ状態になってお腹でボールをつぶすように寝てください。
3.大きく腹式呼吸をしながら、お腹を膨らますと同時にボールを自分自身に押し付けるようにします。
4.呼吸を2回したら、ボールの場所を3センチくらい下げます。
5.また呼吸をしたら、さらに当てる場所を、3センチくらい下げてください。これを左右繰り返します。
いろいろな道具を使ったほぐし方はありますが、もっとも簡単で手軽に、手に入る道具としてはテニスボールが優れているので、ぜひ有効活用してください。
大腰筋を自分でストレッチをする方法
大腰筋は、かなり深層部の筋肉(深い位置にある筋肉)なのでマッサージだけではなく、ストレッチもすることが非常に重要なので、できれば合わせて行っていくようにしましょう。それでは、ストレッチ方法を順に解説します。
1.脚を前後に開いて片膝立ちになります。
2.前方に体重をかけていき、後ろにある脚の股関節の前側にストレッチ感があるところまで伸ばしてください。
3.さらに伸ばすには、少し腹筋に力を入れるようにしましょう。特に硬い人は60秒くらいキープしましょう。
4.余裕があれば、そこから膝を曲げて、足首をキャッチしてみてください。
大胸筋を自分でストレッチする方法以上です。ストレッチ時に、もっとも注意して欲しいポイントは呼吸です。どうしても力が入って呼吸が止まりやすいので呼吸だけはとまらないように意識しておきましょう。
本記事のまとめ
筋肉が硬くなっているのは、やはり日常の生活の中で硬くしてしまっているため、腰痛などが起こるくらいの状態になってしまいます。
なので、最低でも日々硬くしてしまっている分は、毎日寝る前などにほぐしてリセットしてから寝て、できるだけ身体が良い状態で、次の日を迎えるようにしてください。