日本人の4人に一人は、腰痛を経験していると言われています。長時間のデスクワークや急な動きなど、腰痛の原因はさまざまです。中には腰痛が慢性化して、治ったと思ったらまた痛くなってきたという人もいることでしょう。
実は腰痛の原因の一つに、お尻の筋肉が関係していることを知っていますか?長時間座っていることで、お尻の筋肉がカチカチに固まって腰痛の原因になるのです。
そこで今回は、カチカチに固まったお尻の筋肉をほぐして、腰痛を改善する方法をご紹介いたします。腰痛がなかなか改善しないという人は、ぜひ実践してみてください。
お尻が凝ると起こる影響
ではお尻の筋肉が凝ると、身体にどのような影響がおこるのでしょうか。まずはお尻が凝ると起こる影響を確認してみてください。
腰痛の原因になる
お尻と腰の筋肉は繋がっているため、お尻の筋肉がカチコチに凝ると腰の筋肉までにも影響が出ると言われています。日頃から腰痛に悩まされているという人の中には、腰ではなくお尻の凝りに原因があることも珍しくはないのです。
股関節が固くなる
股関節が安定し、周辺の筋肉と協調することで、脚を前後左右に自在に動かすことができます。そのため、良い姿勢で歩くには股関節が欠かせないのです。お尻は股関節の後ろにあるため、お尻の筋肉が凝ると股関節の動きを制限してしまいます。
体型の変化
お尻の筋肉が凝ると、お尻のハリが無くなり、垂れやすくなってしまいます。またお尻が垂れるだけでなく、下半身太りやむくみの原因にも繋がり、体型の変化に悩む方も少なくはありません。
冷え性になる
筋肉が凝ると、血行が悪くなり体が冷えてしまいます。もちろんお尻も同じで、腰やお腹が良く冷えるという人はお尻の筋肉が凝っている証拠です。お尻の筋肉をほぐすと、血行が良くなり冷えも解消します。
お尻と腰痛の関係
お尻の筋肉をほぐして本当に腰痛が改善するの?と思う人もいるはずです。そこでお尻と腰痛の関係を見てみてみましょう。
お尻周辺の筋肉には「走る」「歩く」「ジャンプする」などの動きの他、「バランスをとる」「姿勢の保持」「股関節の回旋」など、下半身の複雑な動きに対応している大切な筋肉が多くあります。
中でも中殿筋(ちゅうでんきん)と呼ばれる骨盤から股関節にかけて走る筋肉は、歩行の安定や姿勢保持にとても重要な役割を果たしています。
この筋肉が弱ってしったり、カチカチに固くなってしまうと、腰の筋肉だけで体を動かしたりバランスを保とうとするため、腰に大きな負担がかかってしまうのです。反対に中殿筋を鍛えると腰への負担も軽減されて、腰痛が改善することも珍しくはありません。
お尻の筋肉をほぐしてみよう
では実際にお尻の筋肉をほぐして、腰痛の改善をおこなってみてください。
中殿筋をマッサージ
中殿筋はお尻の上部にある筋肉です。女性ならちょうど骨盤より少し下あたりになります。その部分を強めに、上から下にマッサージしてほぐしてください。誰かにマッサージをしてもらうときは、肘で強く押してもらうと効果があります。
下半身のストレッチ
1.まずは椅子に浅く座り、膝を曲げないように足を延ばします。
2.かかとを地につけて、つま先を上にしてください。
3.そのまま上半身を前に倒します。
※太ももとふくらはぎの裏が伸びるような感じです。そのまま20秒程キープしましょう。
4.片方のくるぶしを逆の太ももの上に乗せます。
5.そのまま上半身を前にゆっくり倒してください。このまま20秒程キープしましょう。
※猫背にならないように注意しましょう。背筋が伸びていないと、お尻の筋肉までストレッチが利きません。
反対の足も同じようにします。もちろんあまり無理はせず、毎日少しずつ筋肉をほぐすようにしてみてください。お尻の筋肉をほぐすと骨盤周りの血流も良くなり、腰痛だけでなく、疲労回復や肩こりの改善にも繋がります。
日常でできるお尻ストレッチ
凝ったお尻の筋肉はストレッチやマッサージでほぐすことができますが、日頃からお尻の筋肉が凝らないように気を付けてみてください。日頃の生活の中で、少し気を付けることで腰痛を予防できるのです。
■日常の生活でお尻の筋肉を鍛える方法
- 自転車を漕ぐ
- 大股で歩く
- 階段をつま先で登る
- 家事のときにつま先立ちをする
まとめ
急に動いたわけでもないのに、腰が痛いというときはお尻の筋肉が原因かもしれません。お尻の筋肉は歩くためだけでなく、私たちの身体のバランスを保つためにも大切な役割を担っています。
日頃から腰痛に悩まされているという人は、まずはお尻の筋肉をほぐしてみてください。特にお風呂上りは、筋肉が柔らかくなっているため効果が期待できます。
もちろんお風呂上り後だけでなく、「腰が重いな」と感じたらお尻をマッサージしたり、ストレッチしたりしてほぐしてみてください。お尻の筋肉をほぐして、腰痛を予防しましょう。
また、紹介したストレッチをしても腰痛が解消されない場合には、次の記事を参考にして腰痛対策用の高反発マットレスを使用することを検討してください。