「腰が痛い!」と感じた時にどのような対策をとっていますか?「薬を飲む」「とりあえず安静にする」という人は多いと思いますが、それでは根本的な解決策にはなりません。
腰痛の原因の多くは筋肉の衰えです。特に背筋や腹筋が弱くなると、身体のバランスが悪くなり腰痛を引き起こしやすくなります。そこで今回は、たった5分で腰痛予防と改善ができる「腰みがき」のストレッチ法を紹介します。
腰痛は安静にするより動かすことが大事!
以前は腰痛対策として安静にすることが常識でしたが、最近の研究では少しくらいの痛みなら、無理のない範囲で動くことが早い改善につながることが分かっています。
もちろん骨に異常がある場合や激痛の時は安静が必要ですが、腰痛の原因の多くは「血流不良」や「筋肉の衰え」の場合がほとんどなので、身体を動かすことによって血流改善や固まった筋肉をほぐすことが大切なのです。
また長引く腰痛がストレスになり、痛みが改善されないケースもあるので、適度に身体を動かすことによって、気分転換やストレス解消になるように、嫌々ながら取りくむのではなく楽しみながら実践することが大切と言えます。
腰みがき体操のやり方とは?
筋肉を付けることが腰痛の正しい改善策ですが、よく誤解されるのが「とりあず、筋トレをしよう」といきなり筋肉トレーニングを始めるパターンです。今まで腰の痛みをカバーしてあまり運動してこなかった人が、急に本格的なトレーニングを始めても長続きするはずはありません。
まずは、短い時間で簡単にできる体操から始めてみましょう。今回紹介する「腰みがき体操」は筋トレ効果だけでなく、筋肉をほぐして血流を良くする要素も強いので初心者には特におすすめの体操です。
腰まわりと太ももの血流を改善する基本ストレッチ
基本のストレッチその1の方法
(1)マットや畳の上など柔らかい場所で仰向けになり、片方の膝を立てて、その膝をゆっくり抱えるように持ち、胸元の方へと引き上げます。
(2)引き上げたらそのまま5秒間ストップし、ゆっくりと足を元に戻す。
(3)次は同じように反対の足を引き上げます。左右10回ずつ行いましょう。
このストレッチを実際に行ってみると、背筋が伸びていくことが実感できて気持ち良く感じることができました。仰向けの状態なので、バランスをくずしてヨロヨロすることもなく、年配の方にもおすすめです。
腰痛の原因は腰だけではなく、お尻や太ももの筋肉が硬くなることでも引き起こされます。そのため次は太ももの筋肉を伸ばすストレッチです。
基本のストレッチその2
(1)仰向けの状態のまま、片方の膝を立てます。
(2)その膝を両手で抱えるように持ち上げて、胸元の方へと引き上げる。足は横から見て90℃の角度になるように伸ばします。その状態で5秒間ストップしてから足を元に戻します。
(3)反対の足を同じように行い、左右10回ずつ。
背筋と腹筋を鍛える応用ストレッチ
筋肉をほぐす基本のストレッチを行った後は、背筋や腹筋の筋肉を鍛えていきましょう。少しきついと感じるくらいが筋肉を使っているという証拠ですが、痛みが強くなるような場合には行わないようにしてください。
身体が慣れてきて楽に感じられるようになったら、耐久時間や回数を増やして負荷を強くしていっても大丈夫です。
背筋を鍛えるストレッチその1
(1)うつ伏せになります。両ひじを付いて上半身を持ち上げ、足は肩幅くらいに広げて真っすぐ伸ばし、顔は正面をむき5秒間ストップしてから、状態をゆっくりと元に戻します。
(2)同じ動作を10回ほど繰り返します。
背筋を鍛えるストレッチその2
(1)壁を利用して行うストレっチです。壁から10cmほどのところに立ち、両手と両肘をピタッとつけます。息を吐きながら壁づたいに両手を伸ばします。(背筋をを意識する)
(2)伸びきったら、30秒間ストップ。慣れてきたら秒数を10秒ずつ伸ばしていくようにしましょう。
腹筋を鍛えるストレッチその1
(1)イスを利用します。イスの背にもたれて大丈夫ですが、姿勢は真っすぐです。両手をお腹に添えて、片足を15cm~20cmほど持ち上げ、10秒間ストップしてから足を下ろします。
(2)左右の足をかえて、同じ動作を左右で10回ずつ行います。
腹筋を鍛えるストレッチその2
(1)イスに背を付けたまま姿勢を正します。両手はお腹に添えて、腹筋に力が入っていることを意識し、両足を同時に10cm~20cmほど床から持ち上げて10秒間ストップします。
(2)ゆっくりと足を下ろします。この時もまだお腹に力が入っている状態です。
このストレッチは少し難易度が上がるので、回数は1回から少しずつ増やすようにして下さい。慣れてきたら、朝、昼、晩と思い付いた時に行ってみてください、腹筋が鍛えられてダイエット効果もあります。
まとめ
腰みがきのストレッチ方法はいかがだったでしょうか?普段ほとんど運動をしない私でも楽に行えるものが多かったので、運動が苦手と感じている人でもチャレンジしてもらいたいと思います。
ただストレッチを行って腰痛が悪化する場合には、自分で症状を判断せずに専門家による診察も検討してみましょう。
激しい筋トレをしなくても、毎日コツコツ続けていくことで、腰まわりの筋肉は変化させることが可能です。まずは自分でできる範囲のストレッチから始めてみましょう。腰みがきには、他にもいろいろな応用編がでていますので、気になる方は腰みがきの発案者「白土修」先生の著書などを参考にされてください。